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【DM】赤単t白アーマード解説【DM2ブロ2023】

0.はじめに

 こんにちはあーくんです。普段から2ブロックレギュレーションのことを考えています。

 2ブロックレギュレーションとは所謂スタン制のようなもので、直近2年のカードプールが使えるというレギュレーションです。

 やれ「《サガ》がない」だの、「《我我我》がない」だの、普段のストレスから逃げられる先として揶揄されることもあるレギュレーションですが、このフォーマットの最大の魅力は普段使わないプールを中心としたメタゲーム解析と、デッキ研究のしがい。そして狭いプール故に練習結果がダイレクトに帰ってきやすいことだと考えています。

 そして自分はこのフォーマットが本当に大好きなのですが、あまりの公式、公認大会の少なさ、その一見した時のハードルの高さから、一般的には忌避されやすいフォーマットと見做されているのが現状です。

 つきましては、今回自分が構築したデッキの解説や思考回路を記事にすることで、少しでも興味を持つ人が増えてもらえればと思い、6/3開催のやわたCS(悪天候により中止)で使用予定でした【赤単t白アーマード】の記事を書くことにいたしました。

 6/24では再度2ブロックのCSが行われます。この記事を読んで、参加者が1人でも増えていただけることを願います。

1-1.6/2までの2ブロック環境

 Twitterで #DM2ブロ2023 と検索すれば分かる通り、このフォーマットはほとんど全ての情報が出ています。

 特に参考になるのはやわたCSの投稿しているTOP8デッキリストと、そのツリーに記載された母数表。

5/6開催分

5/13開催分

 ボルシャックを中心にメタゲームが回り出し、それを青系のタマシードデッキが2週連続で入賞しています。(《AQ NETWORK》を主軸に置いた受けデッキ。青黒の詳しい解説はこちら 

note.com

 2週目はタマシードデッキをメタるために黒単アビスロイヤルが数を増やしています。入賞しているリストでは《ノラディ:ド:スルーザ》と《悪縁ガクブッチ=リッチーモア》のハンデスプラン採用が目を引きます。

 そして、前回のやわたCSの環境と決定的に違うのはスタートWIN・スーパーデッキ「深淵の邪襲」が発売されて、《絶望と反魂と滅殺の決断》がリリースされたことにあります。

 これにより、アビスロイヤルはただでさえ強かったハンデスメインの長期戦をさらに強くしました。それにより、タマシード系列のデッキの評価が下がるのではないかと考えました。

1-2.デッキ選択。黒単アビスロイヤルと赤単アーマード

 様々な人に聞かれる「2ブロってアビスが強いんでしょ?」という言葉。回答はめっっっっっちゃ強いです。

 ただし《深淵ジャシン》がないことにより、打点と除去の両方が不足していること。アグロが環境にいないため、受けの質が相対的に低いことが弱点として挙げられます。

 サンプルリストはこんな感じ。

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 自分はこのプールだと《プルーフ》が弱いと感じたので、以下のようにハンデスに寄せた構築を考えていました。

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 このプールは手札を構えることが苦手なカードが多いため、《ダークネス》の刺さりは想像以上でした。5.6で撃ったら《アビスベル》くらいしか回答ないくらい強い。

 ですが、これを火力で凌駕するデッキがあります。それが【赤単アーマード】です。

 サンプルリストはこんな感じ。

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 例えるならメインデッキに《バトライ閣》を搭載しているデッキで、およそ5ターン目には10点くらい余裕で叩き出せます。

 そして、《アビス》はスパーク系のカードを搭載しない限りこの打点を受けることは基本的にできません。

 受けの遅いデッキに対して遅れを取る面こそありますが、《ボルシャックローレンドラゴン》により、《バイケンの海幻》をメイン受けにしている【青黒タマシード】は貫通することも容易になります。

 トリガー枠は人によって様々なカードが考えられましたが、先週勝ったことも合わせてタマシード系のデッキ意識で《ローレン》を採用することも考えられます。

 《ダークネス》と《ローレン》の両方に付き合うのは流石にやってられないので、【黒単アビス】で遅いデッキを倒すか、【赤単アーマード】で【アビス】に殴り勝つかの選択肢に縛られました。

 そして、この2つのマッチアップの勝ち方、負け方、ミラーマッチの進行を整理をして、自分は【アーマード】を選択しました。

2.デッキリスト

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3.デッキ解説

 今回のアプローチは、タマシードクリーチャーの除去耐性に目をつけた構築にすることです。

 ほとんどのデッキが綺麗にタマシードに触ることが出来ないので、ゆっくり盤面に並べ、《絶望と反魂と滅殺の決断》を始めとしたハンデスと《「・・・開けるか?」》などの除去を避けることを意識しました。

 仮に手札が切れても、盤面にタマシードクリーチャー×2と5マナがあれば、いつでも《アークゼオス》や《カイザー》から爆発を狙うことが出来ます。

 そのため、簡単に除去されやすく、結果的にリソースを失うことになる《アシスター・コッピ》を不採用。3tの《ボルシャック・フォース》設置のために《レーホウ・衛・デカッチ/「暴竜爵様のお出ましだッチ!」》を採用しています。

 また、4tのジャスキルが通る環境ではなく、超過打点を組むためには《ブルッチ》×《ボルシャックライダー》や、《邪侵入》×《アビスベル》のような要求を通さなければならず、必然的に5t以降に超過打点を組んで殴るデッキが多いです。これはミラーだと特に顕著で、何もなければ先5のワンショットで負ける試合ばかりになります。こちらもショットキルの前にタマシードを置き、スパークで受けて返すことを意識しています。

4.基本プレイ解説

 どの対面にもタマシードクリーチャーを2つ設置し、5マナ時に《アークゼオス》か《ボルシャックカイザー》をプレイし、《ボルシャックフォース》のシビルカウントを満たすことを目標にします。

 3tに《ボルシャックフォース》がプレイできない場合はチャージャーから入り、《バラフィオル》や《アークゼオス》をプレイし、同じように展開して超過打点を組むことを目指します。

5.採用カード解説

《ボルシャック・フォース・ドラゴン》

 メインコンセプトその1。ミラー、アビス、緑系のデッキなど、中途半端な受けを採用しているデッキを全て粉砕する力があります。

 最低でもジャスキルが生まれるので、このカードを動かすこと=第一勝利条件と言っても過言ではありません。

 こいつのアタック時に誘発した《ボルシャック・バラフィオル》で捲ったクリーチャーもSAに出来るため、あまり臆さず殴るようにします。

 また、登場時の火力も優秀で、各種アシスターサイクルや《プルーフ》、《マーダンロウ》などを綺麗に処理することが可能です。

 ミラーでは先3のこいつが重すぎるため、《アシスター・コッピ》の不採用に踏み切りました。

 《ザーク・砲・ピッチ》に焼かれる恐れはありますが、3回目の2ブロックということで、ある程度トリガーの選定も進み、採用数は大きく減っていると想定しました。

《ボルシャック・バラフィオル》

 メインコンセプトその2。2ブロックの《バトライ閣》です。《フォース》だけでは火力が伸びきらないことがあるため、このカードで展開を補佐します。

 3t《フォース》→4t《バラフィオル》と動き、勢いよく《アークゼオス》を叩きつけるのがこのデッキで最も太い勝ち筋になります。

《極閃呪文「バリスパーク」》《ジュエル・スパーク》

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 メインコンセプトその3。同一の役割。《アシスター・コッピ》を抜いたこともあり、後手捲りが従来より行いにくいので個人的には必須枠。《アシスター・コッピ》を積んだとしても積みたいカードです。5枚目を積んだ理由はトリガー率50%を超えたかったから。6枚目を積まなかった理由はこれ以上削る部分がないから。

 メクレイドの当たり外れの確率妥協点はまだ探り探りです。そもそもこのデッキだと《ジュエル》を優先した方が良いのでは?みたいな考えもあり、まだまだ悩める枠だと考えています。

《ボルシャック・ローレン・ドラゴン》

 一応メインコンセプト?クラスのカード。捲った時のバリューは最高クラス。【青単タマシード】には優先してキープします。

 《マーダンロウ》でパクられると取り返しのつかないテンポ差が生まれるので、【黒単アビス】対面では何よりも優先してマナに埋めます。

《レーホウ・衛・デカッチ/「暴竜爵様のお出ましだッチ!」》

 ガードがデカすぎる。初動安定用札。基本2tか捲り前にしかプレイしません。例外的に3→5で繋いだときに《フォース》とくっつける仕事もり《ボルシャック・フォース》に触る確率を出来る限り上げたかったため採用。

 相手がハンデスを使ってくる場合、欲しいカードを山上に潜ませる仕事もあります。

《ボルシャック・アークゼオス》

 《フォース》、《バラフィオル》の起動役。1枚でシビルカウントを2つ稼ぐという仕事だけで評価できます。

 チャージャーから入った際の4tプレイで面を取る動きも勿論強力。スレイヤーには要注意です。

《轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》

 《バラフィオル》の起動役。捲れた先のフィニッシャーとしても優秀です。

 また、《バラフィオル》が置いてあるときにスパークを踏ませた際には相手の面を全て踏みながら山のカードをひたすらに踏み倒すことが可能です。

《クック・轟・ブルッチ》

 《ライダー》がいないためコストをズルするカードではなく、SA付与+ノーコストシビルカウント要員。5t以降はとりあえずくっつけて出すことで《カイザー》やタマシードのシビルカウント達成に貢献してくれます。

 また、山上から捲れた《フォース》もこいつのおかげで走れるようになります。すげ〜〜。

《ファイン・撃・ピヨッチ/「暴竜爵は不滅なり!」》

 本体は下の呪文。追加の《バラフィオル》兼追加の《アークゼオス》。4は《アークゼオス》を置くより《バラフィオル》をプレイする方が強いことが多いため、両方手札にある場合は《バラフィオル》からプレイし、次のターンに《アークゼオス》を探しに行きます。ちなみにこいつにも《ブルッチ》の軽減が乗ります。

 上は最低限《バラフィオル》の当たりに換算できます。

《ボルシャック・ヒート・ドラゴン/ヒートブレス・チャージャー》

 《豊潤フォージュン》。上は《バラフィオル》から捲れると当たりの方。アーマードメクレイド5に入ってないのが悲しい。

6.不採用カード解説

《アシスター・コッピ》

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 デッキコンセプトのところでも話しましたが、とにかく割られるのがキツすぎる。ただでさえリソースがカツカツなデッキなので、こいつに割く余裕は相当少ないです。

 3t《バラフィオル》は一見強力なように見えて、結局シビルカウントを稼がないとリターンが返ってこないので常に除去の恐怖が付き纏います。また、《バラフィオル》が起動する時は《フォース》か《ブルッチ》のSA化がないと詰め切れないことが多いこともネックでした。1ターン早くするより、少し待って確実に殴る方が強いです。

《覇炎竜 ボルシャック・ライダー》

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 《ブルッチ》との2枚コンボ。非常に高い火力が出るのですが、あまりにデッキとマナカーブが合わないことと、展開をしっかり行えば打点は足りることから不採用としました。

《ボルシャック・クリスド》

 《ローレン》使い回しドラゴン。タマシード系用に積んで1枚なのですが、使いたい相手はおよそリソース奪取の手段があることとマナカーブ、メクレイドとの噛み合いの悪さが目立ち不採用としました。

《シブキ将鬼の巻》

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 リソースを減らさずにシビルカウント達成を目指せるカード。2→3→4と動いた時は強いのですが、2以外に置き場所がなく採用を見送り。上振れ札として1枚採用するのは考えられますが、メクレイドの邪魔になるのがネックです。

7.対面解説

 主に回していたのが【黒単アビス】【赤単アーマード】【青黒タマシード】なので、その3つについて記載します。

7-1.黒単アビス

 先手後手でハンデスと付き合うターンがずれるので、それに応じた手札キープをします。

 《「暴竜爵様のお出ましだッチ!」》でハンデスを避けるようにし、《フォース》+《バラフィオル》のボードを目指します。

 3で《フォース》をプレイできない場合はチャージャーでリソースを広げ、《バラフィオル》や《アークゼオス》から入り、単面除去やハンデスをいなします。

 タマシード2面+5マナまで到達した後は上から引いたカードをプレイしていき、顕現したタイミングで殴ります。

 とにかくタマシードが除去されないことを意識して展開しましょう。《ローレン》はパクられるので即マナに埋めます。

7-2.赤単アーマード

 攻め筋はアビスとほとんど変わりません。先手が先に殴れる権利を手に入れるので、押しつけましょう。

 除去どころかハンデスもないので、牌効率通りに動いていきます。

 後手はスパークを踏ませます。

7-3.青黒タマシード

 いなされる前提で早めに初撃を加えます。《ギュウジンマル》が飛び出ることを想定し、《フォース》より《チャージャー》を優先してプレイ。《バラフィオル》の効果を使い続けてリソースを拡張します。

 主な負け筋が《Drache der'Zen》のカウンターパンチなので《バイケン》より《Drache der'Zen》を優先して破壊し、切り返されないようにします。

 《Drache der'Zen》がなければ攻め切ることはできませんが、墓地から再展開するためのカードはどれも山を掘るので、《ギュウジンマル》か山のどちらかが切れるように圧をかけて殴ります。

 手札が整っていないときに殴ると貫通することも珍しくないので、臆さず殴り続けましょう。

8.終わりに

 ここまで書いてきましたが、このデッキを使う予定だった6/3のやわたCSが中止になり、お蔵入りとなってしまいました。

 次回からは新弾が使えるということで、また1からデッキを考えたいと思います。繰り返しになりますが、この記事がきっかけで2ブロック構築に興味を持ってくれる方が一人でも増えてくれたらそれより嬉しいことはないです。

 ここまで読んでいただきありがとうございました。

スペシャルサンクス

のまろか(@Wasshoiexpress

 フォロワー。よく話す。オタク。このプールの先駆者なので色々相談に乗ってもらった。noteの再宣伝。

べる3(@Tberu3

 フォロワー。よく話す。オタク。時間があってデュエマが好きなので事前に壁になってもらった。